「君が美月ちゃん?」

「はい」

「よろしくね」

そう言いその人、そう里親さんが笑う。

「では僕たちはこれで」

そう言って警察(?)の人が帰る。

「僕は海里よろしくね」

「よろしくお願いします」

最初の方は良かった。

海里さんは一見優しい人だ。

中学に上がる頃にスパイのことを聞いた。

本当は星華なんかになりたくなかったが抵抗すると痛い目を見るのは自分。

そう分かりきっていたので言わなかった。

実際、最初の頃は抵抗したり反対してみたがやはり痛い目を見たのは自分だった。

その日を境に私は星華として生きると決めた。

だから辛い訓練も仕打ちも耐えた。

星華として正式にスパイ活動をしたとき、最初は凄く辛かった。

人を騙したりするから。

でもだんだん慣れてきてポーカフェイスが得意になった。

そのことは珍しくボスが褒めてくれた。

嬉しかった。

それは痛い目を見ないから。

殴られないから。



でもある日の事だった。

いつもと変わらず、任務を遂行していた。