ある雨降りの日。

家に警察(?)だと思う人が来た。

「あなたが姫宮 愛華さんですね?」

「え、ええ
そうだけどなにか?」

「姫宮 美月ちゃんいますよね」

「…」

「あなた虐待してますよね?」

「してないわよ
そんなこと」

「じゃあ、美月ちゃん呼んできてください」

「いやよ、あの子は忙しいの」

「そうすると強行突破になりますよ」

「…分かったわ」

そう言いお母さんがドアを開ける。

そうして入ってきたのは背の高い男の人だった。

「君が美月ちゃんだよね?」

「…はい」

「ちょっと袖まくれる?」

そう言われたのでわたしは袖を捲る。

その人が驚いた顔で私を見る。

その後は何があったのかはよく覚えていないけど、どこかに連れてこられた。

その後そのどこかで数日間過ごし、サトオヤというのが見つかったらしい。

「サトオヤってなあに?」

わたしはここに連れてきてくれた人に尋ねる。

「里親って言うのはね…
新しい美月ちゃんの家族だよ!」

「かぞく?」

「そうだよ!」

そんなやり取りをした。

そしてとうとう里親の家に行く日。

この時は知りもしなかった。

この先がもっと辛いことを。