彼女が抱える闇 ──綾人side──

「そこにいるだろ?」

そう言い指を差したのは…。

美月だった。

まさか…そんなはず。

「ご、めんね
私なんだ、星華って」

本人がそう言った。

ていうことは美月は星華だ。

ただ、攻めてきた奴を見て明らかに怯えている。

美月が星華になりたかった訳では無いかもしれない。

それに、美月が俺たちを騙していたとは思えない。

それは美月のことが好きだからかもしれないが…。

「またね」

泣きそうな顔をして美月がいう。

そんな顔するなよ…!!

俺たちは「行くな!」と言いたかったがまるで身体が固まったように動けなかった。

そうしていつの間にか美月が連れてかれる。

「クソっ!」

第一声を発したのは奏汰だった。

怒っているがそれは美月を連れていかれたからだ。

「まさか、美月が星華だったとはな…」

「あぁ、でもあいつを見て怯えていた」

「そうだな」

「「「なら」」」

「「「助ける」」」

俺たちの意見は揃っていた。

待ってろ、美月。

俺は、いや俺達はどんなお前も受け止めるから。

初恋がこんなに無惨に終わるのは嫌だしな。

そうして美月を助ける準備にかかった。