ひとつあるとすれば私がスパイってことだけ。

「はいって」

「はい」

そう言い私はドアを開ける。

「この子が転校生、姫宮さん自己紹介して」

言うことがないと思いながらもコクリと頷く。

「姫宮 美月です……」

一気にシーンと静かになったと思った。

───が今度は一気にみんなが話だした。