ショーの間美月は夢中になって見ていた。

楽しそうで何よりだ。

美月が楽しければ俺も楽しいし嬉しい。

そうして他にも色々な展示を見て周っているうちに時間は過ぎ、今はお土産屋さんにいる。

「これ可愛いな…」

美月がそうつぶやく。

「ん?それ欲しいのか?」

「えっ!?ううん」

「嘘つくな、欲しいんだろ?」

「うっ、はい」

「じゃあ買ってくる」

「いや、自分で買うよ!」

「いーのいーの、俺からのプレゼント!」

「いや、でも」

「いいから!
じゃあ今度代わりに俺のお願い聞いてよ」

「うん!いいよ!
なんでも聞きます!」

「なんでも?」

「うん!」

「ん、それでいーな?」

「いや、でも…」

「いーね?」

「はい!
ありがとっ!」

「じゃ、買ってくるわ」

「う、ん
ありがと!」

可愛すぎるでしょ。

反則だって。

ちなみに美月にプレゼントするのは、イルカの人形だ。

よっぽど気に入ったのだろう。

「はい、美月これ」

「あっ、ありがと!」

「あーやーとー??」

この声は…奏汰か。

「何ちゃっかり自分だけ美月ちゃんにプレゼントしてるの!!」

「そうだな」

潤までそんなことを。

「僕も買ってくる!!」

「俺も行ってくる」

「?」

当の美月は何が起きてるのかわかってないようだ。

5分後…。

「美月ーぃ
これ!あげる!」

「俺も」

「なぁに?これ」

「開けてみて!」

「うん」

奏汰からは貝のようなネックレス、潤からは亀の小さいキーホルダーだ。

「可愛いね!
それで、私が貰っちゃっていいの?」

「貰って貰って!」

「あ、ありがとうっ!」