その瞬間、頼んだはずの奏汰の方が赤くなる。

なんであいつの方が赤くなってるんだ(笑)

でも美月の『よしよし』はされたい。

くっそ。

ジャンケンで勝てていれば……。

「着いたぞ」

「行こう!美月ちゃん」

「うん」

そこから5分ほど歩き、水族館に着く。

「うわぁー凄い!」

珍しく美月が驚いている。

前よりは感情を出すようになったとはいえ、こんなに驚いてるのは初めてだ。

やばい、めっちゃ可愛い…。

「じゃあ行こうか」

「う、うん!」

そうして水族館の中に入っていった。

「ねぇねぇ、潤くん!
これなあに?」

「ん?それはね、カメだよ!」

「かめ?」

「そう、カメ」

「へー」

美月は本当に水族館に来たことがないらしい、さらに海の動物もあまり知らないらしい。
水族館に来たことがないのは人によると思うが、海の動物も知らないのは少し変だとは思った。
だが、家庭の事情はそれぞれだし今は楽しそうだからいいだろう。

「可愛いね」

そう言い美月が笑う。

いや、お前がな

と言いたくなったが、心の中で留める。

「ここがイルカショーのとこだ」

やっと美月に説明できたことが嬉しい。

「へー」

「席はまだ空いてるねー
行こう!」

「うん!」

「席はここにしようか」

「あぁ」

席は潤、俺、美月、奏汰。

今回は美月の隣だ!

「始まるよ!」