「美怜…」

身体を起して美怜の顔を覗き込むと、美怜は潤んだ瞳で見上げてきた。

頬はピンクに染まり、肩で息を整えている。

「美怜、愛してるよ。俺のものになってくれる?」

優しくささやくと、美怜はますます瞳を潤ませ、やがて小さく頷いた。

「ありがとう、美怜。大切にするから」

成瀬は美怜の髪をそっとなでて、頬にチュッとキスをする。

何度も繰り返し、少しずつ唇を美怜の首筋へと移動させながら、成瀬は右腕を美怜の首の後ろに回してグッと抱き寄せた。

少し浮き上がった美怜の背中に手を添えて、ドレスのファスナーを一気に下げる。

美怜は成瀬の唇を受け止めるのに必死で気づかない。

だが成瀬の唇が胸元へ下り、胸の谷間にチュッとキスを落とされた刹那、美怜はギュッと身体を固くした。

成瀬は再び動きを止めて身体を離し、優しく美怜を見つめる。

「怖い?」
「…うん。少し」

小さく呟く美怜に微笑むと、成瀬は何度も美怜の髪をなでた。

「美怜。俺は美怜にたくさんの愛を注ぐよ。美怜はそれをただ受け取めて。少しでも嫌だって思ったらすぐにやめる。それまでは、俺に身を任せてくれる?」

穏やかな表情でじっと見つめられ、美怜は安心して身体の力を抜くと、コクンと頷いた。

「ありがとう、美怜。心から愛してる」

頬に触れる手。
重なる唇。

その一瞬一瞬に、美怜は成瀬の深い愛情を感じた。

目を閉じていると、成瀬の指先が大切に大切に自分に触れてくれているのが分かる。

(大好きだよ、愛してる。君の全てが愛おしい)

そんな想いが伝わってきて、美怜は胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。

いつの間にかドレスが取り払われ、身体に直接触れられる手が優しくて心地良い。

成瀬がシャツを脱ぐと、美怜は腕を回して成瀬を抱きしめた。

素肌と素肌が触れ合い、大きな胸に包まれる安心感に、美怜の身体から力が抜け、成瀬をゆっくりと受け入れる。

「美怜、愛してるよ」
「私も。あなたが大好きです、隼斗さん」

互いに想いを伝え、抱きしめ合う。
心と身体、全てが溶け合って一つになる。

美怜は大きな愛に包まれながら、幸せな涙を一筋流していた。