「気持ちいいね。この解放感、最高!」
「美怜さん、あそこでフロート借りられるみたい。行きましょ!」
「うん!」

青空の下、キラキラと太陽を反射するプールでは、既にたくさんの人が気持ち良さそうにぷかぷかと浮き輪で楽しんでいる。

美怜と友香は、カラフルな浮き輪やフロートが並ぶレンタルコーナーに向かった。

「友香ちゃん、見て!ユニコーンのフロートがある!」
「わー、可愛い!私、これにします。あ、このひつじも、のほほんとしてていいな」
「ひつじ?ほんとだ、メエメエ!私、この子にする」

二人で大きなフロートを手にすると、卓がレンタルしたパラソルの下で着ていたワンピースを脱ぐ。

「友香ちゃん、早く入ろう!」
「待ってー、美怜さん」

パシャパシャと水際を駆けてプールに入る二人に、成瀬と卓は顔を赤くしたまま釘づけになった。

ポニーテールを軽やかに揺らし、フロートに乗って水をかけ合う二人は、周囲の男性の視線を一気に奪う。

友香はピンクのキャミソールタイプの水着、美怜は水色のホルターネックのビキニ姿で、二人ともすらりと細くて白い肌が眩しい。

「成瀬さん、俺マジで鼻血出そう」
「そんなこと言ってる場合か?見ろ。ヤロー共がみんな二人を見てる」
「ほんとだ!あ、あいつら、声かけに行くつもりだな」

成瀬と卓も急いで着ていた服を脱ぎ、水着になると、美怜と友香のもとへ泳いでいく。

「美怜!」
「友香!」

大きな声で呼ぶと、二人は、ん?と振り返った。

「どうしたの?二人とも。泳げないの?」
「大変!卓さん、掴まって」

余りに必死の形相で泳いでいたせいか、勘違いされたらしい。

美怜と友香はそれぞれ手を伸ばして、成瀬と卓をフロートに乗せる。

水着同士の素肌が触れ合い、成瀬と卓はもはや噴火寸前。
タコのように赤い顔になった。

「大丈夫?しっかり掴まっててくださいね」

そう言って美怜と友香は、またはしゃぎながら水をかけ合う。

(本当は彼女を後ろから抱きしめて、密着したままぷかぷかしたい)

成瀬と卓はそう思いつつ、余りの余裕のなさに、今は同じフロートに乗るだけで精一杯だった。