「おはよう、美怜」
「おはようございます」

週末になり、成瀬は車で美怜のマンションまで迎えに来た。

「そのスカート、よく似合ってる。可愛いね」
「え…、ありがとうございます。本部長もとてもかっこいいです」
「ほんとに?嬉しいよ、ありがとう」

車に乗る前に、互いの服装を褒め合って照れる。

今日の美怜は、淡いブルーのフレアスカートに、オフホワイトのサマージャケットを合わせていた。

成瀬はネイビーのシャツに真っ白なテーパードパンツで、美怜と並ぶとお揃いのような雰囲気のコーディネートだった。

「どうぞ、乗って」
「はい、ありがとうございます」

車に乗り込んでシートベルトを締めた美怜は、視線を感じてふと運転席の成瀬を見る。

「どうかしましたか?」
「いや。久しぶりに会えて、美怜が可愛くてちょっとドキッとしてた」
「え、そんなこと言われると、私もドキッとします」

思わずうつむいて身を固くしていると、ふいに成瀬が左手を伸ばして美怜の髪に触れた。

「え?あの…、本部長?」
「美怜の髪、本当にサラサラしてて綺麗だな。一度触ると癖になるよ」

そう言うと手のひらに載せた美怜の髪に顔を寄せ、そっと口づける。

感覚はないものの、その仕草に美怜の胸はドキドキと高鳴った。

おまけに顔を寄せた成瀬の髪が美怜の頬をかすめ、ふわっと爽やかな香りを残す。

急に男らしい色気を感じて、美怜はもう身を固くするばかりだった。