「皆様、本当にありがとうございました。とっても楽しかったです」

車で帰路につき、ルミエール ホテルに到着すると、友香は三人に笑顔でお礼を言う。

「こちらこそ。友香ちゃんとたくさんお話できて楽しかった。また行こうね」
「はい!美怜さん」

最後に友香は卓に向き合い、「ありがとうございました」とお辞儀したあと、少し寂しそうな顔をする。

美怜は卓に声をかけた。

「卓、今ちょうど七時だし、友香ちゃんと食事しながら打ち合わせしてきたら?ほら、ホテルの内装について参考になるもの一杯あったし」
「ああ、そうだな。また別日に打ち合わせの時間取るのも面倒だし。いい?友香さん」
「はい!もちろんです。よろしくお願いします」

パッと笑顔になる友香に、美怜は微笑ましくなる。

「じゃあ、私達はここで。お疲れ様、卓。友香ちゃんも、またね」
「はい。失礼いたします。美怜さん、成瀬さん」
「お疲れ様。高畑総支配人にもよろしく伝えて」
「分かりました」

卓が自分と友香の二人分の荷物を持って、ホテルのエントランスに入っていく。

すぐあとをついていく友香を見ながら、がんばれー!と美怜は心の中でエールを送った。