少しは大人になったのか、今では家業を誇りに思っているし、自分も一人前の石工職人になりたいと思っている。

「地元では有名な石材店じゃないですか。確か、うちの先祖代々の墓も、先輩のところで作られたんじゃなかったかな」

「それはどうも…」

大きな手が、そっと私の髪に触れ、思わず体を離す。

「何するのよ!」

「先輩の髪、真っ赤っ赤ですね。どうしたらそんな鮮やかな赤に染まるのかなって」

私のトレードマークというと、真っ赤に染めた髪に、デカデカと髑髏マークの入った服、超細眉、そしてタトゥー…に見えるシールだ。

「昔は、緑の黒髪でしたよね。眉も太かったし、キリッとした美少女だったなぁ…。今の先輩をパッと見て、すぐに同一人物だってわかる人、そんなに居ないと思いますよ」

「さっきから何なのよ!人がどう思おうと、そんなことは…」

どうだっていいじゃないか!