「わかりました。それでもやっぱり悔しいから、僕が先輩の歴代彼氏の中でナンバーワンになってみせますよ!」

そんなこと言わなくても、もうとっくにナンバーワンなのに。

月明かりの下、今度は森川のほうからそっと唇を重ねてきた。

いつもなら、わけもなく淋しくなる季節なのに、こんなに甘く幸せな秋は初めてだ。

めでたくハッピーエンディングを迎えられた私たちだが…。

これはまだ、始まりの終わり。



FINE