私が告白できずにいるのは、やはり過去に散々冷たくしてしまった負い目があるから。

森川に惹かれたのは、大人になった彼が自分好みのルックスに変わったことだけではない。

子供の頃の挫折を自力で乗り越えたところ。

自分らしさを大切にしているところ。

人を責めない大人なところ。

無邪気な子供みたいなところ。

5月に再会してから4ヶ月。

まさか、森川のことを好きになってしまうなんて、思いがけもしなかった。

今も、月夜の河川敷を並んでのんびり散歩している。

森川と、他愛ない話をして微笑み合うなんて、中学時代は勿論、再会した日にも全く想像できなかった。

「先輩って、寝るときはパジャマですか?ジャージですか?」

いつものように、他愛ない質問を投げかけてくる森川。

「冬はモコモコのルームウェアだけど、今はまだ暑いから、裸で寝てる」

「え!?想像したら鼻血出そう…」