あれから、森川とは、毎晩のように電話やFAXのやり取りをするようになり、数少ない休みの合う日には、二人で出掛けた。

なかなか丸一日デートすることはできないが、少しの時間でも会うようにするなんて、まるで恋人同士でみたいだ。

森川の青い車でドライブしたり、私のバイクの後ろに乗せて夜のハイウェイを飛ばしたり。

そんな風に過ごしている内に、あっという間に夏は過ぎ、9月になった今も、私たちの関係は進展しないままだ。

恋の予感はするのに、決定的な出来事がない。

今の時代、女から告白することが、はしたないことでも何でもないことぐらいわかっている。

体から始まる関係だけは避けたいので、告白できるものならしたいとさえ思うようになった私。

不思議だ…。

昔は、あんなに嫌っていた相手なのに。

突然の再会以来、会えば会うほど惹かれてしまう。