相変わらず、無邪気な笑みを見せてくれた。

森川はというと、白いTシャツにジーンズとシンプルだが、スタイルがいいのでサマになる。

神社につくと、この田舎町の何処にこんな多くの人が居たのかと感じてしまうほどの賑わいだ。

それでも、一頻りはしゃぎ回って神社をあとにすると、また二人きりの静かな帰り道になる。

「あー…なんか不思議な気分です。先輩と夏祭りなんて、あの頃の自分は想像出来ませんでしたから」

「私だってそうよ」

あまりにも想像のつかなかったことなので、思わず苦笑いだ。

自宅の前に着くと、

「先輩、また会ってもらえますか?読書会以外でも」

まっすぐ私を見つめて言う森川に少し戸惑いながら、小さく頷いた。

おやすみの言葉を交わし、無事に初デートも終わり。

部屋に戻ると、とても満たされた気分で、いつの間にか眠っていた。