目の前に立っている、涼しげな好青年と同一人物だなんて、とても思えない。
何しろ、この目の前の好青年が、かなりどストライクなのに対して、あのヘラヘラした後輩のことは、大嫌いだったのだから。
「えっと…とにかく、受付のあと、ネームプレートに名前書いてください」
戸惑いながらも、彼を案内する。
彼は、ネームプレートに「モリカワ」と書く。
「今日、モリカワさんの席は私の隣になりますので…」
「先輩の隣なのは嬉しいんですけど、そんな風に他人行儀に接するの、やめてくださいよ」
大人びた顔が、急に捨て犬のような表情になる。
その幼さに、ほんの一瞬だけ“あの森川”の面影が重なった。
「アナタ…本当に二中ブラスバンド部だった森川なの?」
「そうですよ。嘘ついてどうするんですか」
「だって…。あ!じゃあ、学芸会のアンコールで毎年恒例だった曲は?」
何しろ、この目の前の好青年が、かなりどストライクなのに対して、あのヘラヘラした後輩のことは、大嫌いだったのだから。
「えっと…とにかく、受付のあと、ネームプレートに名前書いてください」
戸惑いながらも、彼を案内する。
彼は、ネームプレートに「モリカワ」と書く。
「今日、モリカワさんの席は私の隣になりますので…」
「先輩の隣なのは嬉しいんですけど、そんな風に他人行儀に接するの、やめてくださいよ」
大人びた顔が、急に捨て犬のような表情になる。
その幼さに、ほんの一瞬だけ“あの森川”の面影が重なった。
「アナタ…本当に二中ブラスバンド部だった森川なの?」
「そうですよ。嘘ついてどうするんですか」
「だって…。あ!じゃあ、学芸会のアンコールで毎年恒例だった曲は?」