さっきまでは、あんなに余裕を見せていたのに。

もう一度、そっと抱き寄せられ、

「先輩」

「ん?」

「次の読書会までは、会えませんか?」

質問の意味が一瞬わからなかったが、おもむろに理解すると、

「そんなことない…」

多分、森川の目を見ていたら、そんな素直な反応は出来なかっただろう。

「よかった…すごく嬉しいです!」

更に強く抱きしめられ、不覚にもドキドキしてしまった…。