「中学時代の友達、もう誰とも付き合いがないの」

「そうなんですか?まあ…高校で上京したら、地元の友達とは会えませんしね」

「それだけじゃないと思う。エリコもミドリも、離れてすぐに連絡つかなくなったの。私は二人に手紙を出したけど、返信がなくて。返信もないのに、しつこくできないでしょう」

「うーん…僕に女子の心理はわかりませんけど、少なくともあの頃は、みんな先輩のこと好きだったように見えましたけどね」

事実がどうかは不明だとしても、真面目にフォローされ、

「ありがとね…」

珍しく、素直な言葉を口にした。

「え?何がですか?」

「本当のことは、今更わからない。でも、そう言ってくれると、救われるから」

星空を見上げて、少し笑った。

「先輩、また怒られそうなこと言ってもいいですか?」

「何?」

「変な意味じゃないから、誤解しないで欲しいんですけど…」