誰もいない公園に着くと、ベンチに並んで座る。

「私…うまく人と関われないの」

森川が過去のことを話してくれたせいだろうか。

何故か、私も本音を打ち明けたくなった。

「え?あんなに人気者だったのに?」

私は黙って首を横に振る。

「全然、人気者なんかじゃなかった。周りはきっと、口の悪い私と喧嘩するのが面倒だから、無理して合わせてくれてただけだよ」

「そうですかね…?そんな風には見えませんでしたけど」

「私も、あの頃はみんなと友達だと思ってた」

私が、人とうまくやれないことに気付き始めたのは、男と付き合うようになってから。

人の気持ちに鈍いから、高校生になって初めて付き合った男は、当時親しかった友達が密かに片想いしていた相手だった。

その友達が学校を休みがちになり、他のクラスメイトが噂していたのを聞いて、初めてそのことを知ったのだ。