彼は、長身でスラリとしているが、半袖のシャツから伸びた腕を見た感じ、いわゆる細マッチョなのだろう。
「初参加者のかたですよね?読書会はこちらの部屋ですよ」
そう声をかけると、彼は、
「本当に会えた…先輩」
よくわからないことを言われ、私は思わず苦笑いで、
「ここの参加者のこと、先輩なんて呼ばなくていいんですよ。ネームプレートに書かれた名前で呼び合っていますから。どうぞ、入ってください」
私は里佳子なので、ネームプレートには“Lika”と書いている。
「そうじゃなくて!先輩、僕のこと覚えてませんか?二中のブラスバンド部で一緒だった森川ですよ!」
「え?」
中学時代の部活で、確かに森川という後輩は居た。
同じ打楽器担当で、やたら女ウケがよかったものの、いつもヘラヘラと周りに媚びていて、如何にも軽薄なタイプの男子。
「初参加者のかたですよね?読書会はこちらの部屋ですよ」
そう声をかけると、彼は、
「本当に会えた…先輩」
よくわからないことを言われ、私は思わず苦笑いで、
「ここの参加者のこと、先輩なんて呼ばなくていいんですよ。ネームプレートに書かれた名前で呼び合っていますから。どうぞ、入ってください」
私は里佳子なので、ネームプレートには“Lika”と書いている。
「そうじゃなくて!先輩、僕のこと覚えてませんか?二中のブラスバンド部で一緒だった森川ですよ!」
「え?」
中学時代の部活で、確かに森川という後輩は居た。
同じ打楽器担当で、やたら女ウケがよかったものの、いつもヘラヘラと周りに媚びていて、如何にも軽薄なタイプの男子。