読書会は、いつもと何も変わらない雰囲気だった。

変わったことと言うと、森川が新たに加わったことだけ。

それこそが、自分にとっては大きな変化とも言えるが。

今日もまた、いつものレストランで皆で食事して、夜の並木道を森川と一緒に帰る。

「先輩って、休みの日はどうしてるんですか?」

「んー…晴れた日にはバイク飛ばしたり、雨の日には本読んだりかな」

「先輩がバイク好きとは知らなかったな。でも、読書会には乗ってこないんですね」

「バイクで来たら呑めないでしょ。それに、なるべく歩くようにしてるの」

「あ!それは僕と一緒です。すぐに車に乗ってしまうクセをやめたんです。何もジムに通わなくても、日常的に歩けばいいことだし、筋トレなら家でも出来るし」