大人になるほど、時の流れが早くなるとは本当にで、今月もまた読書会の時期がやってきた。

森川は、また来るのだろうか?

先月、また参加すると言ってはいたが、読書好きでもない人には続かないだろう。

市民センターに着くと、廊下の硝子窓から、読書会が行われる部屋を覗く。

森川が居ないことに、何故だかガッカリするやら、安堵するやら。

突然、誰かに目隠しされ、反射的に肘鉄を食らわす。

「痛っ!何するんですか…」

そこには、情けない表情の森川が居た。

「ごめん!大丈夫!?」

そう言って、森川の腹部を撫でた。

「先輩…」

熱っぽい眼差しを向けられ、思わずハッとする。

「全く…何してんのよ!痴漢かと思ったじゃない」

そう言いながらも、密かにドキドキしていた。

目隠しに驚いたのもあるが、それよりむしろ、森川の鍛えられた腹筋がシャツ越しにもわかったからだろう。