でもそう思い込んでくれてるおかげで

私のお兄ちゃんに対する想いを隠し通すことができる

知られたくないけど

知って欲しい

私のこの想いに気づいて欲しい

そう思ってしまう。

矛盾だらけのこの想い

苦しいだけの恋ならば

認められない恋ならば

いっそすべて跡形もなく消えてしまえばいい…

なのに消えない

消えてくれない…

それはきっとこの想いをなかったことにするのを拒む自分もいるからだ…

「なぁ、梨音?」

『ん?』

「春休み中はまだ家に居るんだろ?」

『うん、そうだよ?』

「新学期が始まってからココに来るんだよな?」

『うん。なんで?』

「いや、なんとなく。全然実感わかねぇんだよな~。梨音が家出るって…まさか俺より先に出るなんて思ってなかったし(笑)」

『ふ~ん?』

お兄ちゃんは今年で21才

私より4つ年上

高校卒業してからはずっとプーやってて

おまけに女の子をコロコロ変えたりして

自由奔放に遊び暮らしてた

でも今年成人式に行って

心機一転したらしくちゃんと就職のことを考えて

安定な職場を見つけたらしく4月からそこで働くことになる。