『そんな挨拶してもらわなくて結構!!』

そう言ってプイッとそっぽを向く

「ははは(笑)冗談だって!スネんなよ?(笑)」

まただ…

笑いながらそう言ってさりげなしに私の頭を撫でてくれる…

やめてよ…。

お兄ちゃんはその気はないだろうけど

私にはあるんだから…。

好きだっていう気持ちが…。

だけど…

心はすごく正直で

嬉しい気持ちがあふれてる…。

ほらね。

自然と頬が緩んできちゃった…。

「梨音は頭撫でられるとすぐ機嫌がよくなんだよな!」

目を細めて笑いながら諭すようにそう言うお兄ちゃん…

お兄ちゃんだからだよ…。

お兄ちゃんが好きだからだよ…。

そんなとき

プルルル-

2人の時間を間を邪魔するように響いたお兄ちゃんの携帯の着信音

ズボンのポケットから取り出すと携帯を開く

嬉しそうに笑顔を浮かべた後

「もしもし。どうしたんだよ?美雪?」

しまりないくらい笑いながら電話に出た。

美雪…

お兄ちゃんの彼女

お兄ちゃんの好きな人

お兄ちゃんと付き合ってる人

お兄ちゃんと…

両想いになれた人。