どこで、いつ知り合ったのか分からない

美雪というお兄ちゃんの新カノ

知りたくないけど知りたい

私はとことん矛盾にまみれた人間だ…。

『お兄ちゃん就職決まったんだよね?どこで働くの?』

なんとか彼女の話から抜け出したくて

話を逸らした…。

聞きたくない

知りたくない

私が壊れちゃうから…。

「それがさ、俺の働く先は大工と工事両方するんだよ。」

『どういうこと?』

「だからさ、工事の仕事もするし、大工の仕事もすんだよ。」

『なんだか…大変そうだね?』

大工も工事も力仕事じゃん…。

「ん~まぁな!でも体動かす仕事したかったし、丁度いいよ。」

そう言ってニカッと白い歯を出して笑う…。

そんな顔にときめく私。

確かにお兄ちゃんは

汗が似合う。

爽やかな光る汗が…。

「そういえば彩美ちゃん?だっけ?居ないみたいだけど?」

部屋をキョロキョロ見回して言うお兄ちゃん

『彩美は彼氏とデート中!!』

ついキツく言ってしまった。

私以外の女の子の名前を呼ぶお兄ちゃんに嫉妬してしまう…。

自分の友達にさえも…。

「そっか(笑)挨拶でもしとこうと思ってたんだけどな。ふつつかな妹ですがこれからよろしくってな。(笑)」

ケラケラ笑って言うお兄ちゃん

その笑顔は幼くていたずらっ子の笑顔みたいだった。