ボーっと窓をながめる私。

そこにはモブっぽい顔。

どこにでもいる茶色いポニーテールの髪。

表情は暗い。

そう私は自分の顔をみるごとに自分が嫌いになっていく。

こんなこと誰にも相談できない。

だから私は、いつか本当に

好きな自分になれるように

今頑張っている。

おし。授業に集中しよう。

今は数学の時間。集中しないとすぐおいていかれちゃう。

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休み時間

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またふと窓を見てしまう。

そこには私だけじゃなく、

幸せそうな彼氏と彼女。

私には、彼氏がいない。

みんな彼氏がいる。

私の親友も。

私は、そんな出会い一度もないし、

必要あるのかな?と思うけど。

彼氏がいる子はみんな幸せそう。

自分の顔、性格が、どれほど悪くても

それを好きになってくれることで、

自分への嫌い度が下がるのかな。

なら私も欲しいなと思うけど、

たぶん心から好きだから幸せ。

私は中学生になっても初恋がまだ。

みんなの趣味にもついていけない。

推し活?だっけ。

私は一生孤独なのかもしれない。

まあそれでも良いか。

色々な幸せの形ってあるもんね。

そんな事を考えていると私の大好きな友達

が心配そうに顔を覗き込む。

この子は、加山 雛ちゃん。

ひーちゃんって読んでる。

この子がいるから私はとっても楽しい。

この事を幸せって言っても良いかも。

うんそうだね。

私は彼氏なんかいらない。

友達さえいれば良いんだ。

「暗そうな顔してるよ。大丈夫?」

ひーちゃんはとても心配している様子。

心配させたくないから元気に返す。

「大丈夫だよ!ちょっと嫌なこと考えちゃってただけだから。」

「そう?困ったら言ってね。」

「あとさ。今日、私彼氏と帰る約束しちゃったから、今日は私いっしょに帰れない。ごめん。」

ひーちゃんの交際が順調で喜ばしい!

気持ちがぽっと明るくなった。

ひーちゃんの彼氏はひーちゃんの性格と正反対の

犬系。ひーちゃんは、バリバリ猫系なんだ。

けど、二人は結構相性がいいみたい。

昔から、幼馴染なんだって。

私は幼馴染がいないから、羨ましいな。

「交際が順調で喜ばしいよ!むしろ一緒に帰って!」

「ありがとう!灯里ももうすぐできるよ。大好きな人が。頑張って。」

「ありがとう。頑張るよ。」

頑張れるかは、わからないけどまあ返事は返した。

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放課後

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授業が終わった。

ひーちゃんは...?

ああ。今日は彼氏と帰るんだ。

久しぶりに一人で帰るな...

ちょっと怖いかも。

私の通学路少し暗い雰囲気なんだよね。

はあ。

通学バックを手に持って教室を出る。

教室がざわざわしだす。

なんだろうと思うとたまに話す

えんどう きるび
遠藤  黄琉濔さん

がいた。彼女はクラスのトップで、

さらに、お母さんがフランス人でハーフなんだ。

だからみんなの人気者。でも私は思うんだ。

顔で近づくのは酷いなって。

でも私は臆病者だから、なんもいえない。

顔で近づいている人と同じ、卑怯者だ。

黄琉濔さんは私に話しかけてきた。

「やっぱり朔様ってかっこいいよね~」

取り巻きの子もいう。