「祥子のだよ」
「えっ?」

 圭ちゃんが作ってくれた今年のケーキだろうか?
 でも、それなら圭ちゃんが言いづらそうにしてた理由がわからない。
 
「黙ってろって言われてたんだけどさ……」

 私がケーキを受け取ると、圭ちゃんは目線を逸らしながら頭をかいた。
 
「師匠が作ったんだ」
「お父さんが!?」