「ショウコちゃん、おたんじょうびおめでとう!」

 幼い姿の圭ちゃんがお祝いの言葉を言ってくれて、フルーツたっぷりのケーキをテーブルに置いた。
 ケーキはとてもおいしそうだ。
 
「わぁ〜っ、ケーキだ!」

 昔からスイーツが好きだった私は、心をウキウキさせて身を乗り出した。
 
「これ、ケイちゃんが作ったの!?」
「お、おう、まぁな」

 圭ちゃんは照れながらも、鼻の下をこすって得意げに胸をそらした。
 小さい声で「おかあさんに手伝ってもらったけど……」と言っていたけど、私は目の前のケーキに夢中だったので、特に気にせずに受け流した。

「すごーい! 将来は、パティシエさんだね!」

 私のお父さんがパティシエだから、圭ちゃんもそうなるのかなって思った。
 
「ショウコ、ケーキ好きだもんな」
「うん、ケーキ大好き!」