とある日のお嬢様と執事



午前8時半

『お嬢様…まだ寝てらっしゃるのですか?本当にもう、ったくしょうがねーな』

ちゅっ

『んー、』

『愛美お嬢様…もう8時半ですよ。私と約束した時間は7時半ごろだった気がするんですけど』

お布団と清々しいほど晴れてるお天気にたぶん、お嬢様はもうしばらく目を覚まさないであろうな


『はぁ、あと5分で起きないのであれば…キス、しますよ』

「……」

『起きない。わざと?それとも…』

「んー、佐々木ぃー?」


佐々木 冬馬

山本財閥に専属執事として雇われてもう10年


こちらのまだ起きないお嬢様と同じ歳の17歳だ


だけど実は小さい頃から愛美は俺は知ってる


だって俺とまなみは『幼なじみ兼内緒の恋人』だからだ


「何したら起きんだよ。まさか本当に深ーいキスか?」

「とぉまー…おはよー?」

「あぁ、おはよう。旦那様がいる時は苗字で呼べよ?」

「ふぁーい」

ったく本当に世話のやけるお嬢様だ