くるくる、くるり。
アルブレヒトに手を取られ、シャルロットは微笑んだ。
途中で中断されてしまった婚約披露のパーティーは、別の、シャルロットのお披露目という形に改めて、一か月後に開かれた。
ファーストダンスを踊る二人を、王妃がほほ笑んで見つめている。
あれだけの騒ぎがあってもシャルロットを表立って侮るものは、そのほとんどすべてが今日の参加を自粛させられている。
といっても、その数は微々たるもので、ほとんどの貴族たちは、シャルロットが表舞台に立って披露した、その美麗な歌声や、学者ですら舌を巻く教養の深さ、そして、どこまでもまっすぐにこちらを見つめるエメラルドグリーンに屈服──いいや、心酔した。
さすが、ヒュントヘンの才媛。子犬姫。
根強い噂は完全に消えはしない。けれど、貴族たちのそれは、新たなうわさで上書きされようとしていた。
シャルロットのまとっている、真っ白なドレスの裾が空気を含んでひらめく。シャルロットの茶の混じった銀の髪は、これから花開く娘らしく、そのすべてを結い上げずにいるから、肩からすとんと落ちて、シャルロットの動きに合わせて揺らめいている。