と、押し込むような言葉に、しぶしぶ納得したように、あるいはただ口をつぐんで、この話題は終わりだと、各々の集まりへと戻っていく貴族たち。

 ──守られた。アルブレヒトがそう思わなくても、シャルロットはそう感じた。
 マルティナのことも、アルブレヒトのことも、自分が閉じこもっていたから引き起こされたのだ。
 悪意に怯え、勇気がなく、マルティナの心に気づかなかったから。

 シャルロットが、アルブレヒトにこうさせた。
 シャルロットは守られていた。
 だけど──だけど、それだけではいけない。
 だって、シャルロットは、アルブレヒトを守りたいのだ。
 約束を、したから。

 ──約束。

 脳裏に浮かんだ言葉。その瞬間、ぱちんとかけらがうまった音がした。
 シャルロットはアルブレヒトを振り返った。アルブレヒトの青い目が、シャロの最期の記憶とだぶって見える。