こうやって!
 そう言って手を大きく広げるシャルロットの目から、涙が溢れる。それはきらきらとアルブレヒトの服に染みを作ったが、シャルロットは自身が泣いていることに気づいていないようだった。

 それがどうしようもなくかわいそうで、どうしようもなく好きだと思って──……同時に、どうしようもなく、情けない。
 シャルロットに、こんなに我慢を強いている。涙が勝手に落ちるほど、シャルロットは追い詰められているのだ。

 明日、決着をつけよう。もう、シャルロットを悪意にさらすことなどないように。
 アルブレヒトは、シャルロットの華奢な身体を包み込むように、しっかりと抱き直した。

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