無邪気だったシャルロット。けれど今は、お茶会の面子が変わっていることに気づけているかも怪しい。
 いいや、おそらくは、気づいていても、言わないだろう。

「シャロ、今度の君の誕生日に、君をお披露目しようと思うんだ」
「お披露目?」
「うん、君が、僕の婚約者だって、国中の人に知らせるためのパーティーを開くんだよ。よければ、ファーストダンスは僕と踊って欲しい」

 シャルロットは、一瞬考えるように首を傾げた後、小さく、あ、と呟いた。そして、目元を赤く染めて、潤んだ緑からきらきらとした光をこぼした。

「たくさん踊って欲しいわ、アルブレヒトさま」
「もちろん。3回……いいや、それ以上だって、何度でも踊ろう。僕は会場の男の嫉妬を一身に受けるだろうな」
「そうしたら、私がアルブレヒトさまの体を隠してあげる」