「シャロ、今日は何があった?」
「お茶会をしたの、アルブレヒトさま。フント領のお茶をいただいて……」
「……そう」

 シャルロットの顔が陰る。
 これ以上聞こうとも、シャルロットは言わないだろう。そういうところが、昔から頑固だった。
 自分のいたずらにはすぐに申し訳なさそうに尻尾を垂らすくせに、アルブレヒトの失敗は、他人に知らせないようにだろうか、急に走り回ったりしてごまかそうとする。不器用なところはずっと変わらない。

 かわいくて愛しいシャルロットのことを幸せにしたい。そうヴィルヘルムに言ったけれど、やはり一度壊れて継ぎ接ぎをしただけのアルブレヒトでは、どうしてもうまくいかない。

 アルブレヒトは、怒り心頭で今日のことを報告してきた侍女長の顔を思い出した。