王妃はそう言って笑った。シャルロットを正面から抱き上げてほおずりする。
シャルロットの頬が赤く火照ったころ、えへん!という侍女の咳払いで、王妃はバツが悪そうに眉を下げて苦く笑った。
「お勉強の続きをしなくてはね。もう少し……ここまで覚えたら、また一緒にお歌を歌いましょう。シャルロット」
「はい、お義母さま!」
シャルロットは、この義母のことを、とても好きだと思った。だから今、幸せだと思った。
そして、それにほっとしている自分から、そっと目を背けたのだった。
◆◆◆
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…