王妃はそう言って笑った。シャルロットを正面から抱き上げてほおずりする。
 シャルロットの頬が赤く火照ったころ、えへん!という侍女の咳払いで、王妃はバツが悪そうに眉を下げて苦く笑った。

「お勉強の続きをしなくてはね。もう少し……ここまで覚えたら、また一緒にお歌を歌いましょう。シャルロット」
「はい、お義母さま!」

 シャルロットは、この義母のことを、とても好きだと思った。だから今、幸せだと思った。
 そして、それにほっとしている自分から、そっと目を背けたのだった。

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