シャルロットは、目の前のアルブレヒトをみとめると、頬を紅潮させた。いまだに頬についたアルブレヒトの赤い血より、ずっとずっと、鮮やかに見える。

「今日は、王妃さまとお勉強なんですよね……ごめんなさい、遅くなっちゃった……」
「今日は休んでいい。シャロ。ゆっくりお休み。僕がずっとここにいる」

 小さな、小さな体。手ももちろん小さくて、アルブレヒトの手のひらにすっぽり収まる。

「きもちい……アルブレヒトさま、もっとさわって」
「シャロ……?」
「おねがい、おねがいご主人さま。ぎゅってして……」

 ぐっと起き上がり、空いた片手でアルブレヒトの胸元をつかむシャルロット。小さな体は、おびえるように震えていた。

「……おいで、シャロ」