「ご主人様……どうしたんですか?」
「……ごめんね」

 これが最後の謝罪だ。そう決めて、アルブレヒトは密やかに呟いた。
 もう離せなかった。それを、誰よりわかっているのは、ヒュントヘン公爵ではなく、実のところ、アルブレヒトなのかもしれなかった。

 ──冷たくなった亡骸を、よく覚えていたから。

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