「ご主人様……どうしたんですか?」 「……ごめんね」 これが最後の謝罪だ。そう決めて、アルブレヒトは密やかに呟いた。 もう離せなかった。それを、誰よりわかっているのは、ヒュントヘン公爵ではなく、実のところ、アルブレヒトなのかもしれなかった。 ──冷たくなった亡骸を、よく覚えていたから。 ◆◆◆