「ヒュントヘン家の子犬姫は、約束をやぶったこと、ないんだぜ」
「──ああ」

 アルブレヒトは短く答えた。
 ──アルブレヒトさま、あなたを、愛しているの。
 かすかに聞こえた告白と、生きようともがく姿が目に焼き付いている。
 シャルロットは守られると約束した。生きることをあきらめなかった。

 約束を守れなかったのは、アルブレヒトで。だからこそ、ヴィルヘルムの言葉を理解しているのだ──それこそ、誰よりも。

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