「君がいないと、僕は生きることもできない」

 吐息に紛れて吐かれた言葉。
 ぐっと息を吸って、アルブレヒトは歩き出す。

 ──君と、生きていくために。

 アルブレヒトは、そのためなら命を捨てる以外、何でもするだろう。
 包帯の巻かれた手がじんわりと痛む。その痛みこそ、アルブレヒトが生きているという証だった。

◆◆◆