「治療を頼む」 「……わかった。医務室へ。シャルロットには」 「マルティナ・ティーゼを」 解かれた腕。 あんなに安心した檻の中が遠ざかる。 シャルロットは、自身を抱き起こすアンナの腕にそっと触れる。 息が苦しい。それは、アルブレヒトの腕の中にいないからというだけでは、けして、けしてありはしなかった。 ◆◆◆