「ごめんなさい」
「シャロは悪くなんて……」
「アルブレヒトさまの犬だけじゃなくて、一番になりたい、そう思ってしまったんです」

 ひゅ、と息をのんだ音が聞こえた。
 シャルロットはかまわず続ける。分不相応な想いを抱いたせいだ。
 だからシャルロット自身が苦しむのは、自業自得なのだ。

「ごめんらさい、わ、わたし、犬なのに、犬なのに、こんらこと思って……でも」

 シャルロットの目から、大粒の涙がこぼれる。

「らけど、わたし、あなたが好きらから、好きらから……ごめんらさい、それれも、ずっと一緒にいたい……!」
「シャロ、それは、君が僕に恋しているということ?」

 アルブレヒトの胸に顔を埋め、しがみつかんばかりにくっついた、そのシャルロットの後頭部から、声がする。