シャルロットが好きだった。いいや、好きなのだ。
アルブレヒトは、今日、彼女の双子の姉と会っているシャルロットのことを想った。
「アルブレヒトさま、おはようございます」
朝食の席で顔を合わせたシャルロットは、こちらが拍子抜けしてしまうくらいいつも通りだった。
アルブレヒトに会うのがうれしくてならないと、振り回されている尻尾が見えるような輝く瞳。
怯えて目も合わせられないことを想像していたから、アルブレヒトは思わずシャルロットの顔をまじまじと見つめる。とたん、はじかれたように顔をそらしたシャルロットに、またほの暗い感情が返ってきて──。
だから、アルブレヒトはそれ以上シャルロットを見るのをやめて、そうとわからぬよう隠して握ったこぶしに意識を集中させた。
それは、どろりとした澱のような想いだった。
「おいしいですね、アルブレヒトさま」
「今朝、いい苺が入ったらしいから、デザートには出てくるんじゃないかな」