シャルロットは少し考えて、

「とっても嬉しかったわ……」

 と答えた。──が、その答えは姉たちの度肝を抜いたらしかった。

「待ってちょうだいかわいいシャルロット、それだけなの?」
「ええ、ええ、今のは聞き捨てならないわ。流石にあんちくしょうがかわいそうになってきたわ」

 当然立ち上がったクリスティーネとアレクシアが、狼狽えたように口にする言葉に、シャルロットはこてんと首を傾げた。
 そうして、次の瞬間──シャルロットは、人が膝から崩れ落ちるのを、初めて見ることとなった。

「いいこと?シャルロット、よく聞いてね」

 クリスティーネが言い聞かせるように、シャルロットの肩にそっと手をやる。

「シャルロット、これはとても大事なことよ」

 アレクシアが、前のめりになってシャルロットの手を取った。

 そうして、息ぴったりに、同時に、同じ音量で叫ぶ。

「あなた、アルブレヒト殿下に恋をしてるのよ!」

◆◆◆