かりりと砂糖を噛むと、中からアーモンドが出てきて香ばしく舌を楽しませる。
 そう、アーモンドが。
 反射的に、アルブレヒトにキスをされた時のことを思い出して頬が熱くなる。
 それに気付かない姉たちではない。

「あら?どうしたの、かわいいシャルロット」
「ほっぺたが真っ赤よ、かわいいシャルロット」

 姉たちが声を揃えて言う。シャルロットはどうにも恥ずかしくって、口をもごもごさせてあーとかうーとか声にするのが精一杯だ。

「もしかして、恋かしら、シャルロット」
「初恋ね!シャルロット。お相手はだあれ?」
「そんなの決まってるじゃない、クリスティーネ」
「まあ、それはそうよね、アレクシア。あいつ以外いないわね……」

 目配せし合う姉たちは、じっとシャルロットを見つめていた。どうやら言うまで解放してくれる気はなさそうで、シャルロットはますます顔を赤くしながら、林檎みたいな顔を押さえて先日のことを口にした。

「アルブレヒトさま、に、キスをされて」
「まあ、手が早……えふん、続けて?」
「わたしが、アルブレヒトさまのものだって」