髪をを左右非対称に結い上げた双子の姉が、同じエメラルドグリーンのドレスを身にまとい、シャルロットの住まいへやって来たのが、今日のことだ。
 見た目がそっくりの姉は、声もそっくりで、少しだけ落ち着いた声色は、それでも前回会った時と変わりなく、シャルロットを安心させた。

「お姉さまたち、ようこそいらっしゃいました」
「まあ!シャルロットがお辞儀してくれたわクリスティーネ!なんて良い子なのかしら!」
「なんてかわいいの!ね、アレクシア!さすが私たちの世界で一番可愛いシャルロットね!」
「ありがとうございます、お姉さま。でも、わたしだってもう16になりますもの。きちんとお勉強もしているんですよ」

 手と手を取り合ってはしゃぐ姉たちはシャルロットを元気にしてくれる。
 シャルロットも嬉しくなって、姉たちの勧めるままにお土産のお菓子を口にした。

「このドラジェ、大好きでした。久しぶりに食べても美味しいままです」
「本当?料理長も喜ぶわ」
「シャルロット様のために命をかけて作るって言っていたものね。私達もご相伴に預かれて本当に幸運」