アルブレヒトにキスをされた。
 その事実は、シャルロットの胸の内をぎゅうと締め付けて、どうしようもなく恥ずかしくさせた。

 火照った顔を見られたくなくて目をそらした。
 うるさい心臓の音を聴かれたくなくてアルブレヒトから距離を取った。

 ──次の瞬間、アルブレヒトに、腕を引かれる。
 抱きとめられた腕の中で、シャルロットはアルブレヒトの匂いを吸い込んで、鼓動の音を聞いて、それで、それで、もう、おかしくなりそうだった。
 いつも安心できるアルブレヒトの腕の中が、煮えたぎったお湯──いいや、熱された凶器みたいにシャルロットを焼く。