まだ梅雨が明けない七月上旬、空がどんよりしている日が多いが今朝は晴れているみたい。遮光カーテンを閉めていてもわかるくらい外が明るくなっているのに気づき、ゆっくり瞼を押し上げた。

 真っ先に視界に入るのは、二カ月ほど前から住み始めたラグジュアリーな寝室……のはずだった。

「おはよ」

 今朝の私の寝ぼけ眼に飛び込んできたのは、ラフに下ろされた前髪がかかる美しい顔。ほんの少し気だるげで、それすらもセクシーに見えてしまう彼の微笑みが間近にあった。

 一気に眠気が吹っ飛び、がばっと飛び起きる。

「おぉ、おはよ、ござぃま……!」
「そんなに驚かなくても」

 動揺しまくる私に、肘をついて頭を支えた誠一さんが呆れ気味に笑う。そうだ、今日は彼も休みなんだった。

「結婚して二カ月経ったのに、まだ慣れないのか? 旦那が隣で寝ることに」
「や、だって……こうやって目覚めるのは珍しいじゃないですか」

 意味なく頭からブランケットを被り、もごもごしゃべる私。目覚めた瞬間に彼のご尊顔を見るのは、眩しすぎて刺激が強い。