意外すぎる関係が明かされ、開いた口が塞がらない。

 芽衣子の異母兄妹だったのか。彼女の家族は梨衣子さんだけだと思い込んでいたから、その可能性はすっかり頭から抜けていた。

「そうだったんですか……。ひとり息子がいると聞いてましたが、まさかあなただったとは」
「その節は父がご迷惑をおかけしました。って、俺が謝る義理はないんだけど」

 頭を下げたかと思いきや、輝明さんは忌々しそうな顔をして鼻で笑った。こうやって自分の家族にまで嫌な思いをさせるのだから、やはり益子がやったことは許せない。

「あの事件があって、親父に隠し子がいるって記事を見た時は腸が煮えくり返りそうになりましたよ。でも昔から兄弟に憧れがあったから、妹がいるってわかったら好奇心のほうが勝って、いろんな伝手を使って捜したんです。そしたらあんな可愛い子が現れるもんだから……そりゃもう、兄ちゃんなんだってするわ!って感じで」

 父親の件でやや同情していたというのに、焼き具合を見ている彼の顔がどんどんにやけてくるので、俺の目が据わる。

「妹相手に変な気は起こしてないでしょうね」
「なわけあるかい! 親父とは違って倫理観ある男なんですー、俺は」