間に合ったと安堵したのもつかの間、俺の横を速度を下げたバスが通り過ぎていく。芽衣子が乗るバスだとわかり、さらに急ぐ。停止したそれのドアが開き、ステップを上る彼女を呼び止める。
「芽衣子!」
一段上ったところで足を止めた彼女は、心底驚いた様子で振り返った。
「せっ、誠一さん……!?」
俺はバスの戸口に手をかけ、乱れた息をできるだけ整える。目を白黒させている彼女を、まっすぐ見つめて口を開く。
「俺は、このまま終わりにするつもりはない」
「え……?」
わけがわからないといった様子の彼女に、なるべく端的に言葉を投げかける。
「経営を回復させて、芽衣子が心から安心できる環境を整えたら、もう俺を拒む理由はないだろう?」
「そ、それは……」
こう来るとは予想していなかっただろう。どう答えたらいいのか悩むように言葉を詰まらせ、動揺を露わにしている。
俺は手を伸ばし、エスコートするかのごとく彼女の細い手を取る。先ほどと同じ香りがふわりと舞った。
「芽衣子!」
一段上ったところで足を止めた彼女は、心底驚いた様子で振り返った。
「せっ、誠一さん……!?」
俺はバスの戸口に手をかけ、乱れた息をできるだけ整える。目を白黒させている彼女を、まっすぐ見つめて口を開く。
「俺は、このまま終わりにするつもりはない」
「え……?」
わけがわからないといった様子の彼女に、なるべく端的に言葉を投げかける。
「経営を回復させて、芽衣子が心から安心できる環境を整えたら、もう俺を拒む理由はないだろう?」
「そ、それは……」
こう来るとは予想していなかっただろう。どう答えたらいいのか悩むように言葉を詰まらせ、動揺を露わにしている。
俺は手を伸ばし、エスコートするかのごとく彼女の細い手を取る。先ほどと同じ香りがふわりと舞った。