「私も、誠一さんが欲しいです」

 欲求を正直に口にすると、彼はとろけるような笑みを浮かべ、唇を寄せる。

「君が望むならなんでもあげる。だから、もっと俺を求めて」

 言葉の最後に、彼の瞳が雄のそれに変わったような気がした。直後、濃密なキスの雨が降り注ぎ、考える余裕がなくなって本能に任せた。

 下着も取り払われ、舌を這わせられる初めての感覚に無意識に声が漏れる。自分でもあまり触ったことのない部分を執拗に弄られ、舐められて、感じたことのない快感と羞恥心でおかしくなりそうになる。

 どれだけの時間が経ったのか、すっかり骨抜きにされたところで、彼が避妊具をつけるのが見えた。頬がやや紅潮し、余裕のなさそうな彼の顔を見るのも初めてで、ドキドキしっぱなしだ。

 ひとつになる時も、痛みはあっても怖さはまったくない。次第に熱い痛みが気持ちよさに変わり、ただただ大好きな人と繋がれる幸せで満たされた。

 愛の言葉をもらうだけじゃなく、触れ合うとこんなに満たされて安心するものなんだと初めて知った。大切なことを教えてもらってばかりの彼に、私も精一杯の愛を返していこう。